発達障害の療育を目的とした児童支援発達事業所【ヒーローズきっずからのお知らせ・コラム】

お知らせ・コラム

コラム 最終更新日:2022/04/20

療育プログラムってどんなものがあるの?種類と選び方をご紹介

療育プログラムってどんなものがあるの?種類と選び方をご紹介

目次

発達支援について調べていると、しばしば「療育」という言葉を目にします。
「療育」という言葉は、もともと身体障害を持ったお子さまに対しての治療と教育を合わせ持った対応方法を指していました。

しかし、現在ではもっと広範囲に、発達障害を含むさまざまな困難を抱えたお子さまの発達支援全般を指す言葉として用いられており、「発達支援」とほぼ同義に使われています。

厚生労働省のガイドラインによれば、療育は以下のように定義されています。

『児童発達支援は、障害のある子どもに対し、身体的・精神的機能の適正な発達を促し、日常生活及び社会生活を円滑に営めるようにするために行う、それぞれの障害の特性に応じた福祉的、心理的、教育的及び医療的な援助である。』

児童発達支援、すなわち「療育」には、さまざまな種類のプログラムがあり、お子さまそれぞれの特性に合わせた支援がなされています。

お子さまの障害の特性に合わせた療育プログラムを受けることにより、できることを増やしたり、気づかなかった能力を発見したりすることが可能となります。
このコラムでは、療育プログラムの種類や、どんな効果が期待されるかを紹介していきます。

 

療育プログラムとは?

療育プログラムとは、発達障害のあるお子さまが、学校や地域社会の中で健全に育つことができるよう、困りごとを克服するための支援を行い、スキルを学んでいくためのプログラムです。

集団で行うものと個別に行うものがあり、お子さまの特性に合わせてオーダーメイドのプログラムを作ることもできます。
医学的、心理学的な理論をベースに、お子さまの発達をサポートするさまざまな種類のプログラムがあります。

どんな種類があるのか、代表的な療育プログラムを見ていきましょう。

 

プログラムの種類

① 応用行動分析(ABA:Applied Behavior Analysis)

応用行動分析は、アメリカの心理学者スキナーが提唱した理論をもとに発展した心理学的アプローチです。
個人の行動は周囲の環境と相互作用で規定されるとし、過去の経験がよいものであればそれを発展的に行うようになり、嫌な経験だとしなくなるという知見から、成功体験を積み重ねることで行動を変えるよう働きかけます。

 

② 認知行動療法(CBT:Cognitive Behavioral Therapy)

認知行動療法は、「認知療法」と「行動療法」を兼ね合わせた心理学的アプローチで、うつ病などの治療にも使われています。
人は外界から刺激を受け、それを認知して自分の行動を起こします。
このとき、認知の仕方にゆがみ(偏見)があると、それがもとでストレスを感じます。
認知行動療法ではこの「認知のゆがみ」を修正するようなトレーニングを行うことで、自信をもって行動できるよう促していきます。

 

③ SST(Social Skills Training )

SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)とは、認知行動療法を応用したアプローチで、社会で生きていく上で必要なスキルを会得するためのトレーニングです。
人は人との関わりの中からさまざまな社会的ルールを学びます。しかし発達障害がある場合などはそのルールに気づくことができず、人間関係に困難を覚える場合があります。
SSTでは、指示を理解したり、状況を判断したりすることや、人とのコミュニケーションを行う上での苦手意識を少なくするなどのトレーニングを行います。

 

④ 作業療法

作業療法は、作業療法士(OT:Occupational Therapist)という国家資格を取得した専門家が行うアプローチです。
作業療法は、人が持つ五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)や身体感覚(バランス、スピードなど)の統合に困難がある場合、これらをうまく統合して活動がスムーズにできるよう整えていきます。

 

⑥ TEACCH(Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped Children)

TEACCH(ティーチ)は、自閉症やその傾向があり、コミュニケーションに課題を抱える人のためのプログラムです。
アメリカのノースカロライナ州では、自閉症の人とその家族を生涯支えるプログラムとして1972年以来行われています。
TEACCHでは、対象者を生涯にわたって支援します。
支援は自治体など地域に根付いて行われ、対象者が地域で安定した生活ができ、かつ人生を豊かに過ごせるよう、一人ひとりの特性に合わせた個別スケジュールを作ってサポートします。

 

プログラムの内容

療育プログラムの種類をいくつかご紹介しましたが、ほかにも、箱庭療法や音楽療法など、効果を期待されるプログラムがあります。
これらの療育プログラムではどんな活動ができるのかをご紹介しましょう。
例えば、応用行動分析(ABA)のプログラムには、以下のような種類があります。

・トークン・エコノミー
 目標となる行動を決め、それができたらトークン(ご褒美)を出す。
 例えば、毎日5回手を挙げて発表したらシールをあげる、など。

・プロンプトとプロンプトフェイディング
 新たな行動を試みるとき、行動の前にそれを促すようなきっかけを与えること。
 例えば、直接体に触れてやり方をガイドする(身体的プロンプト)、「ありがとう」と言ってもらいたいときに、「あり、あり・・・」など接頭語をヒントとして与えて発話を促す(言語的プロンプト)、言って欲しい場所に目印を描く、指差しで教える(視覚的プロンプト)などがある。
 逆に、今まで出していたプロンプトをだんだんと縮小し、自立を促すことを「プロンプトフェイディング」という。

 

また、SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)では、かるたやブロックなどのツールを使ったゲーム、寸劇のようなロールプレイ、そしてグループでの遊びやお話を通して、コミュニケーション能力を身に着ける訓練をします。
最近では、VR(バーチャルリアリティ)やタブレットでのゲームなども開発され、お子さまが楽しく取り組めるようになっています。

他にも、ブランコやフラフープを使った感覚統合のトレーニングなどもあり、さまざまな仕組みでお子さまが飽きずに学ぶことができるよう工夫されています。

どんな種類のプログラムでも、基本的には急ぐのではなく、スモールステップでお子さまの「成功体験」が積み重なるように作られています。
これにより、お子さまが「世界は信頼に足るところだ」という概念を築き上げ、社会の中で自信をもって生きていけるようにサポートするのです。

 

応用行動分析(ABA)やSSTは、ご家庭でも実施することができます。
発話や行動のきっかけを作り(SST)、好ましい行動をしたらほめる(ABA)という流れを繰り返すことで、お子さまの成功体験がどんどん積み上がり、さまざまな能力が花開く可能性もあります。

また、施設では保護者の方も一緒に参加して楽しめるプログラムを用意しているところもあります。
療育プログラムは施設によって種類が違うこともありますので、お子さまに合わせた療育プログラムがある施設を選ぶとよいでしょう。

 

療育プログラムの選び方

それでは、お子さまに合わせたプログラムを選ぶときに、どのようなことに気を付けるとよいでしょうか。

 

エビデンスがあるかどうか

まずは、使われているプログラムがきちんと研究された上実証されているかどうかということです。
応用行動分析(ABA)、認知行動療法、SSTなどはきちんと評価され、方法論も確立しています。
また、知識や資格を持った心理士や作業療法士、言語聴覚士などの専門家を配置している施設もありますので、必要であれば専門家の有無も調べてみるとよいでしょう。

 

療育プランを吟味しているかどうか

お子さまの特性に合わせて、療育方法やどんな種類のプログラムを使うのか、常に振り返って検討されているかどうかも重要です。
子どもの発達は個人個人で違ってきます。
発達の段階に合わせて、必要な療育プログラムを作り、素早く導入できるかどうかも選ぶポイントとなります。

 

お子さまが楽しんで学べるかどうか

施設によって、得意な療育プログラムの種類が違います。
比較的自由な時間や遊びの時間を長くとるタイプ、学習に力を入れるタイプ、音楽(ダンス、リトミックなど)を使うタイプ、体を動かす活動を得意とするタイプ、そして作業療法士、言語聴覚士などの専門家を配置するタイプなどです。
お子さまが一番興味を持ち、楽しく学べる療育プログラムがある施設を選べば、ストレスなく通うことができます。

 

まとめ

このコラムでは、児童発達支援で使われる療育プログラムと、その種類をご紹介しました。
療育プログラムは、さまざまな理論に裏打ちされ、効果を確認されたものが使われています。
施設によっては、保護者の方も一緒に活動しながら行うアクティビティを用意しているところもあります。

また、応用行動分析(ABA)やSSTなどは、ご家庭でも実行することができ、施設と家庭双方で実施することで、お子さまの能力を伸ばすチャンスがより広がります。
施設の担当者としっかりアセスメントを行い、お子さまに適したプログラムを選んでください。

ヒーローズきっずでは、このコラムで紹介した代表的な療育プログラムをご用意して、お子さまに最適なものをオーダーメイドで実施しています。
一人ひとりに合わせた療育を丁寧に実施することで、お子さまの未来をご家族と一緒に育てることを目指します。

ヒーローズきっずの療育プログラムは、ホームページでチェックしてみてくださいね!

 

同じカテゴリの記事を見る

児童発達支援事業所
ヒーローズきっず・ジュニアは

いつでも見学可能です

お問い合わせ・資料請求は、電話またはメールにて承ります。

※コロナウィルス感染症蔓延防止のため、事前にご予約を頂いての見学のみ承っております。