目次
子どもが生まれると、市町村が設ける乳幼児健診を受けることができます。
乳幼児健診では、お子さまの身長や体重などの発育はもちろん、言語や精神、運動などの発達や、社会性についても検査を行います。
お子さまが成長していく過程で、ご家族だけで関わっているときには気づかなかった発達の遅れを、この乳幼児健診の場で指摘されることがあります。
まだまだ幼いわが子について、「発達障害である」と診断された時には驚きや不安も感じますし、これからどんなふうに育てていけばいいのか戸惑いも大きいのではないかと思います。
このように、発達に不安のあるお子さまとそのご家族が安心して生活していくために、
国では「児童福祉法」の中で児童発達支援を行う施設の設置基準などを定めています。
このコラムでは、児童発達支援はどんな施設で受けられるのか、またその利用の仕方や費用などについて解説しています。
児童発達支援はどんな施設で受けられるの?
それでは、児童発達支援が受けられる施設にはどんなものがあるのかをご紹介していきましょう。
児童発達支援サービスを行う施設は2種類あります。
ひとつは「児童発達支援センター」、そしてもうひとつが「児童発達支援事業所」です。
名称だけ見ると、どんな違いがあるのかわかりづらいですよね。
それぞれの違いと、特徴を見ていきましょう。
児童発達支援センターとは
児童福祉法において、「児童発達支援」は“障害のある子どもに対し、児童発達支援センター等において、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練その他の便宜を提供するもの”と位置付けられています。
中でも、児童発達支援センターについては
「特に、児童発達支援センターは、地域における中核的な支援機関として、保育所等訪問支援や障害児相談支援、地域生活支援事業における巡回支援専門員整備や障害児等療育支援事業等を実施することにより、地域の保育所等に対し、専門的な知識・技術に基づく支援を行うよう努めなければならない。」
と記載されており、児童発達支援サービスにおいて地域の中核をなす施設であるということがわかります。
児童発達支援センターでは、発達障害のあるお子さまの通所支援を行うほか、地域内の保育所を訪問して発達支援の助言や、
障害児支援利用計画書を作成するなどの、地域を包括した発達支援をワンストップで行えるようになっています。
また、児童発達支援センターには「医療型」と「福祉型」があります。
「医療型」は、上肢・下肢、および体幹に機能障害のある児童の通所訓練施設で、
理学療法や作業療法など医学的管理のもとで、治療を含めた発達に関する機能訓練を行います。
対象となるのは、主に肢体不自由児(医療的ケアが必要なもの)です。
「福祉型」では、身体的、知的および精神的な障害のある児童を対象とします。
具体的には、肢体不自由、難聴などの身体に障害のある児童、知的障害児、発達障害を含む精神に障害のある児童、
および在宅の重症心身障害児となっています。
地域の中核という性質から、児童発達支援センターは市町村に1ヶ所以上設置するよう求められています。
児童発達支援事業所とは
地域の広範囲をカバーする児童発達支援センターに対して、児童発達支援事業所は通所利用障害児の療育や、その家族の支援に特化したものとなっています。
支援サービスの内容は児童発達支援センターと同様ですが、発達支援が必要な家庭によりいきわたるよう身近な地域に数ヶ所設置されています。
したがってセンターよりも設置数が多く、利用しやすくなっているのが特徴です。
近くにある施設の方が通いやすく、保護者の負担も小さくなりますが、事業所ごとに支援サービスの内容に特色があるので、
お子さまの特性に合わせた事業所を選ぶのもいいかも知れませんね。
児童発達支援サービスの利用方法について
乳幼児健診などで発達障害を指摘され、療育を勧められたときに一番困るのが、どんな施設があるのか、どんなふうに利用をスタートすればいいのか、ということですよね。
通所するまでの手続きについては、乳幼児健診時に保健師などに聞いたり、自治体の窓口で相談したりすれば必要な書類などを準備してくれます。
どんな施設を利用するかについては、ご紹介したように「児童発達支援センター」が各市町村に1ヶ所以上設置されるようになっていますので、まずこちらを訪問するといいかもしれません。
センターでは療育についてのアドバイスも行っていますので、ご自宅の近くにある児童発達支援事業所について情報を持っている可能性もあります。
通所にかかる費用
さまざまなサービスで発達障害のあるお子さまを支援する施設ですが、そうなると利用料金も高いのでは?と思ってしまいますよね。
実は、事業発達支援施設の利用料金の9割には公費が充てられるのです。
すなわち、自費での負担は1割。
利用料金は、法律によって算出方法が決まっており、施設の所在地(市区町村)や規模、職員が持っている資格、通所児童の障害の程度、時間延長や送迎の有無などによって多少の違いはありますが、おおむね通所1回につき10,000円~15,000円ほどです。
この料金の1割負担となりますので、1回1000円~1500円ほどと考えておけばよいでしょう。
また、1ヶ月にかかる費用は世帯の収入によって上限が決まっています。
非課税世帯は無料、世帯収入890万円以下は4600円、それ以上は37,200円となります(通所の場合)。
おやつ代など実費がかかることもありますので、見学などの際費用面もきちんと聞いて、通所回数やサービス内容を検討するとよいでしょう。
施設の選び方
利用する施設を決める上で重要なのは、施設への通いやすさ、そしてサービス内容です。
まず、ご自宅の近くにある事業所を数ヶ所絞り込み、どんな支援が受けられるのかなどお子さまの特性に合うサービスを持った事業所を選ぶことをおすすめします。
実際に施設を利用している保護者からの口コミや、見学、体験入所を通してもっともお子さまに合う事業所を選択するのがベストです。
まとめ
このコラムでは、児童発達支援サービスを行う施設にはどんなものがあるのか、またサービスにかかる費用はどのくらいなのかなどを解説してきました。
お子さまに発達障害が疑われると言われたら、どんな親御さんでも不安になりますよね。
でもご安心ください。日本には児童福祉法に基づいた、誰でも気軽に頼れる児童発達支援施設があるのです。
お子さまの発達の速度や、持っている能力は一人ひとりすべて異なります。
それぞれの個性や特性に合わせた支援を行うことで、どんな子どもでも伸び伸びと育っていくことができます。
お子さまの良いところを伸ばすためには、ご家族が子どもの特性を正しく理解することが必要です。
そのためにも、児童発達支援の専門家が所属する施設を利用し、早期療育を行うことが大切です。
事業発達支援事業所であるヒーローズきっずでは、お子さまのお困りごとに関する相談から、
施設の見学や体験通所、支援プランのご提案、通所のための手続きについての相談など、ご家族に寄り添ったサービスを提供しております。
メールでのお問い合わせや資料のご送付も承っておりますので、悩む前に、お気軽にご相談ください。